大腸がんの特徴
食生活の欧米化によって、日本人の間で急増しているのが大腸がんで、近い将来、胃がんや肺がんを抜いて、日本人にもっとも多い癌になると予測されています。50歳頃から罹患率が増加し始め、高齢になるほど高くなっていきます。また、男女別に見ると、男性がおよそ2倍の罹患率と死亡率を示しています。部位によって直腸がんや結腸がんに分けられますが、男女差が大きいのは直腸がんです。
現在、大腸がんが増えているのは、結腸がんになる方が増えたことが影響しています。肉の摂取や飲酒、野菜不足はリスク要因となりますので、予防する上では避けなくてはなりません。遺伝的要素よりも、環境的要素が強い癌であるため、食生活を中心とした予防策を取れば、罹患率を下げることは可能です。その意味では、コントロール可能と言えるでしょう。もっとも、現在の食生活から、急に伝統的な和食への回帰を図るのは無理がありますので、今後も増加傾向が続くことが予想されます。
特徴的な初期症状はありません。進行すると、血便や腹痛、残便感が見られるようになります。末期に近づいていくと、転移による症状が大腸がんに先立って見つかることがあります。他の臓器に転移しているということは、すでにステージ4になっているということですので、症状は相当に進行しています。
ステージが0期や1期にとどまっていれば、生存率は高く、完治できることが多くなります。しかし、末期症状に進行してしまうと、もはや回復の可能性がなくなってしまいますので、そうなる前に発見し、治療することが必要です。
治療法としては、手術や内視鏡的治療、放射線療法、化学療法があります。内視鏡的治療は早期の場合にのみ適用でき、身体への負担を小さく抑えながら、完治を望むことができます。
手術によって病巣を切除した後に再発することがありますが、術後3年以内に再発の80%は発見されます。したがって、しばらくの間は頻繁に検査を受けて、再発していないことを確認しなくてはなりません。仮に再発した場合であっても、早めに処置することで完治できる可能性も残っています。
特別な病気ではありませんので、30歳を過ぎたら大腸がん検診を受けておきましょう。検査によって必ず発見できるわけではありませんが、死亡率を下げることができますので、リスクを小さくすることはできます。
自分で症状を自覚するのが難しい以上、検診の力を借りるのは賢明な選択です。体調管理ができていなかったために、手遅れになってしまうようなことがないようにしましょう。末期と初期では、治療の難易度がまったく異なります。
大腸がんの種類
部位によって、大腸がんは結腸がんや直腸がん、盲腸がん、肛門がんといったように分けられます。
食べ物が通る経緯としては、まず盲腸から入ってきて上行結腸、横行結腸、下行結腸、S次結腸、直腸、最後に肛門の順番になります。それぞれの部位によって症状や手術の後遺症が異なっています。
この中でも、多く見られるのが結腸がんと直腸がんです。症状との関係で言うと、直腸がんや、直腸に近い位置にあるS字結腸がんの場合には血便や便通に関する異常が見られやすい傾向にあります。これに対し、盲腸がんや上行結腸がんにおいては血便は少ない傾向にあります。
手術の後遺症では、結腸がんの場合には少ない傾向にあるのですが、直腸がんでは排尿機能や排便機能、性機能などに障害が残ることが多くあります。また、肛門がんや直腸がんの中でも肛門に近い位置の手術をすると、人工肛門が必要になるケースもあります。